この文章で紹介するのは、レポートの最低限の体裁の整え方と、オンラインでもできる 資料の集め方の 2 つです。したがって、文章作法には立ち入らないですし、こういうこと を書けば先生が喜ぶなんてことは書いていません。ご寛如ください。
※先生からの指示がある場合は、それを遵守するのが第 1 です。指示されていない箇所に ついては、この文章を参考に体裁を整えましょう。
レポートの心構え
レポートは単なる感想文とは異なります。実際に感想を求められている場合は徹底した 根拠付けは必要ないでしょう。ただ、レポートとして出ている以上、何らかの論拠を示すことは重要です。それがアカデミックな文章の書き方であり、卒論を書く前の練習でもあ るレポートに求められることだからです。それ故に、後半に書いた資料集めも必要になり ます。
再三言われていることとは思いますが、文章の剽窃は本当に厳禁です。実際に、自分と 同じ授業を取っていた友達が知り合いの文章をコピペしていたのがバレており、痛い目に 合っていました。先生が言うならいざ知らず、学生の身である私が言うのですから、この 文章を読んでいる方には肝に銘じてほしいところです。
レポートの書式
初めに、何よりも書式・フォーマットを整えることが大切です。レポートは見てもらう ものですので、見やすいように書式を整えるのは当然のマナーです。まずは、それぞれの 課題の指定に従ってください。そして、レポートの初めのページに自分の学生番号、クラ ス番号、氏名を書くことに着手しましょう。一般的にはページの右上あたりに書くことが 多いです。経営学部の場合は論文執筆要綱もあるので、ネットで目を通しておくのも必要 です。
あと、意外と忘れがちなのが段落です。レポート 1 本が段落 1 つだけなんてことになら ないように、話題や論理構成に応じて文頭は1文字分空けましょう。
参考文献の書き方
オンラインのレポートでは参考文献を書くことが少ないかもしれませんが、参考文献については学術性の保証に繋がるので紹介します。参考文献の書き方は、指定が無ければ下 記の通りにしておけば大丈夫です。指定があれば、それを第一に守ってください。また、 一般的に著者の名前のアイウエオ順で参考文献を上から書いていきます。注意点としては 論文のタイトル・記事のタイトルには「」を使い、書籍名・新聞名・雑誌名は『』で囲み ます。
また、参考文献の出版年は最新の版の年数を記載します。たとえば文献の奥付(一番後ろの方にある本の情報がまとまっているところ)に、
「2007 年 5 月 15 日初版 1 刷、2017 年 4 月 1 日初版 19 刷、2017 年 7 月 15 日第 2 版 1 刷」
と並んでいれば、第 2 版が最新な ので、2017 年を書きます。仮に第 2 版が無ければ、最も新しい初版の一番古い年数である 2007 年を書きます。刷によって記載する年数が変わることは無いです。
著者名(出版年)「論文のタイトル」,編者名編『雑誌名』第○巻第○号。
著者名(出版年)『著書のタイトル』出版社名。
『新聞名』〇〇年〇月〇日付け朝刊,「記事のタイトル」。
『雑誌名』〇〇年〇月〇日号,「記事のタイトル」。
著者名「インターネット記事のタイトル」,http://~~~(〇〇/〇/〇アクセス)。
引用の仕方
引用の書き方は
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- 雄弁部[雄弁部(2020),35 ページ]によれば,・・・・ということ、
- また,「・・・・」[雄弁部(2020),24 ページ]とも言われている、
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といった 2 つの書き 方に大別されます。「35 ページ」のように書く場合と、「p.35」と書く場合もあります。後者の場合、p とページ数の間のピリオドを忘れないでください。また、引用ページが複数ページに跨る場合は「pp.35-37」のように書きます。
また引用が 2~3 行以上に長くなる場合は、[桑田(2015),17 ページ]によると次のように 表記することもあります。
引用が長い場合は下図の例文のように、引用部分をスペースで囲ったブロックで示し ます。このとき、前後は 1 行あけ、引用したい部分すべての行頭を 2 マス下げて、引用の範囲を明確に示します。
この引用の仕方は無暗に使用すると、レポートの主張のメインが引用になりかねないので 多用は厳禁です。引用に意味があり、文脈を保存しなければならない場合のみに行いまし ょう。
資料を集めるには
基本的に大学図書館で資料を集めるべきですが、現在(5/17 の時点)は使用できませ ん。ですが、オンラインの有料データベースは利用できます。データベースには図書館のHPからアクセスできます。図書館が契約している有料のデータベースは Wikipedia よりも学術性の担保された情報が得られます。まずは、ジャパンナレッジで課題に関わる用語 を調べてみるといいでしょう。ただ、利用するには VPN 接続が必要なので、別途設定する必要があります。VPN 接続の手順については、Twitter の雄弁部新歓アカウントで解説 しているので、そちらを参考にしてください。
また、無料で利用できるデータベースについては、インターネットで文献探索 2019 年 版 が役に立つはずです。このサイトはフリーのデータ ベースのリンクまとめになっていますので、自分の課題に関わりそうな項目のデータベー スがあるかどうかを覗いてみると良いでしょう。
資料集めの心がけ
先走り気味ですが、仮に図書館が使える状態での資料集めでの心がけておくべきことを紹介します。それは、課題が出されたら 3 日以内に図書館で資料を探せ、ということで す。理想を言えば直後に探すのが一番です。課題締め切り前の 1 週間くらいまで放置していると、課題に関する図書館の資料がかなり借りられてしまいます。多くの人はレポート を後回しにするもので、そうした人が夏休み終盤の宿題のように借りるからです。なの で、課題が出された直後に探すのは図書館資料が豊富な状態で探すことになります。レポ ートに本気で取り組むつもりの無い人でも、資料が無いことには上手く取り繕えないでし ょうから、このテクニックは役に立つでしょう。
平常の有料データベースでは上記のようなことは起きにくいですが、今はオンライン授 業です。有料データベースも接続数が決まっているので、先んじて動くことで損することは無いでしょう。有料データベースを使い終わったら、ログアウトは忘れずにお願いしま す。ログアウトをしないと、アクセス数にカウントされたままになり、他の人に迷惑がか かってしまいます(応答が無いと時間で切れるようにはなっているみたいではありますが、 時間がかかることに変わりありません)。
この文章の参考文献
- 伊藤民雄(2019)『インターネットで文献探索 2019 年度版』日本図書館協会。
- 伊藤民雄「インターネットで文献探索 2019 年度版」(2020/5/17 アクセス)。
- 桑田てるみ,江竜珠緒,押木和子,勝亦あき子,松田ユリ子(2015)『学生のレポート・論文作成 トレーニング 改訂版』実教出版。
- 酒井聡樹(2017)『これからレポート・卒論を書く若者のために 第 2 版』共立出版。
- 明治大学図書館「オンライン情報源(外部データベース・電子ジャーナル・電子ブッ ク)」(2020/5/17 アクセス)。
- 山内志朗(2001)『ぎりぎり合格への論文マニュアル』平凡社。