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演題 「最高の刺激の裏側」

弁士 森下和希(理工1)

【導入】
私は先日、ある場所に行ってきた。その場所は私に高揚感をあたえてくれ、私は幸せな 時間をすごすことができた。
さて、その場所とはどこであろうか?
それは、ギャンブル場である!
私はギャンブルが大好きである!
ギャンブルで大当たりを当てれば、近所迷惑を考えず大声で喜んだり、外れれば、某県議員も引くような号泣をしてきたのである。
もちろん、私だけではない。
全国にもギャンブルが好きな人はたくさんいる!
実際、パチンコ遊戯者は約1000万、競馬場の入 場者数は650万人近くにも及ぶ!
私たちは、ギャンブルとうまく付き合うことで、人生が豊かになった。
しかし、すべての人がギャンブルとうまく付き合えているわけではない。
あまりにも快感を求めすぎるせいで、ギャンブルから抜け出せなくなった人たちが日本に多く存在している。
彼らはいわゆるギャンブル依存者という人達なのだ。
どうして、人はうまく、ギャンブルと付き合えないのだろうか?
その疑問は、この弁論を書くきっかけとなった。
本弁論の目的は、ギャンブルとう まく付き合う方法を提示し、ギャンブルとの共存を実現することである。
【現状分析】
では、ギャンブル依存症とはなんであろうか?
ギャンブル依存症とは、ギャンブルという金銭や品物をかけて勝負を行うことに依存してしまい、社会的生活をうまく営めない状態に陥ってしまうことを指す。
この定義からすると、公蛍ギャンブルはもちろん、パチンコをする8割の人が換金目的でパチンコを打つことから、バチンコもギャンブルとして扱うことができる。
つ まり、パチンコ依存症もギャンブル依在症なのである。
厚生労働省の調査によると、ギャンブル依存症の疑いがある人は全国に約70万人存在している。
そして、それらの人はギャンブルで多額の借金をつくってしまい、その平均借金額は600万円にもなる。
しかも この平均借金額、600万円というのは自己破産した人を含まないので、本当の平均借金額はそれ以上になるであろう。
さらに、ギャンブルがきっかけで起きた犯罪の件数は年間約2400件あり、年間の被害額は100億円といわれている。
しかも、 借金に追われて自殺に追い込まれる人は年間3000人もいるのだ。
このように、ギャンブル依存者の数は非常に多く、さらに彼らはまともな社会生活を営めず、社会にも悪影響を与えてしまう。
【原因分析】
では、なぜ日本にはギャンブル依存者がこのように多く存在しているのだろうか?
この原因は主に2つある。
1つ目はギャンブル依存者は正常な判断ができないからである。
人は刺激を求める生き物である。刺激を求めすぎるが故、危検を冒す生き物であると 心理学的にいわれている。
ギャンブルは 人々に刺激を与えることができる。
だが、この刺激に依存してしまうので、脳の思考回路に影響を与えてしまい、正常な判断ができなくなってしまうのだ。
実際、人は、ギャンブル依存症に陥る前の段階に、「俺だけは勝てる」など、根拠のない 自信を持ち始める。
その結果、掛け金に歯止めがきかなくなってしまうのである。
ここからわかるように、ギャンブル依存者はもう正常な判断ができないのだ。
また、 WHO  世界保健機関はギャンブル依存症を精神病として認めている。
つまり病気なのである 。
二つ目はギャンブル場が身近にあるからである。
ギャンブル依存者は正常な判断ができないのにもかかわらず、ギャンブル場への出入りは自由。
現在、パチンコ店は全国に11000店舗 存在しており、これはローソンの店舗数とあまりかわらないくらい多く存在するのだ。
さらに、パチンコ店は駅の周辺や街の中心地に多くあるので、人の目につきやすく、かつ、便利で気楽に行けるギャンブル場ともいえる。
このように、ギャンブル場が身近にあるため、ギャンブルに依存しやすく、またギャンブルから抜け出すことが非常に難しい。
【禁止しない理由】
現在、ギャンブル依存者の問題の解決に対して、ギャンブルを「禁止すればいいじゃないか」という意見がおそらく一番多いと考えている。
しかし、ギャンブルを「禁止」することによってギャンブル依存症を根本からなくすことはできない。
なぜなら、ギャンブルを禁止にすると、ギャンブル依存者は違法カジノなどに逃げていく可能性があるからである。
実際イギリスではカジノを合法化することで、違法カジノを撲滅している。
つまり、今のギャンブルを禁止しないということが、闇カジノへの抑止力になる。
また、 ギャンブルの経済効果は20兆円近くであり、簡単に禁止するということもできない。
【解決策】
依存にならず、ギャンブルとうまく付き合うことを実現するために、私は2つの政策を提案する。
制限カードの導入と依存者相談センターの設立である。
順を追って、説明する。
まず、制限カードの導入について
この制限カードには、ふたつの役割がある。
1つめは入場回数の規制である。
パチンコ店に入店するときは身分証とカードを同時に提出しないと入店できないものとする。
これはギャンブル場が身近にあり、自由に入店できるということを防ぎ、依存者対策 をすることが目的である。
二つ目は遊戯額への規制をすることである。
具体的には、カード自体に貯金できるチャージ額の上限を設けることである。
また、1 日一回のみカードにチャージすることを認め、チャージされたもの以外での遊戯も禁止する。
このように、遊戯額を制限することによって、遊戯者が予定した遊戯額を上回るケースをさけ、かつ、掛け金が雪だるま式に増えないようにすることができる。
実際、ノルウェーでは遊戯額を規制することによって掛け金を抑えることができ、ギャンブル依存者に一定の効果があると示されている。
次に、依存者相談センターの設立について
依存症解決への道として最も重要なことは、 人の力を借りることだ。
つまり、人に話しやすい環境を作ることが 重要なのである。ただ、場所を設けるだけでなく、制限カードにデータと連携させ、「 制 限額を限度いっぱいまで使っている人」に依存者センターの人が直接アプローチするなどの政策をとることにする。
これによって、現存する依存者や、依存症の 疑いがある人がギャンブル依存症から脱却するために、相談センターが必要になる。
具体的には、例えば地方自治体に設けたり、ギャンブル場に簡易的な相談センターを設けることにする。
以上の政策を打つことにより、ギャンブル依存者へのアプローチを可能にし、人と ギャンブルがうまく共存できるような環境を作ることができる。
【展望】
私にとってギャンブルは人に唯一無二の刺檄を与えてくれるものなのだ。
しかし、ギャンブルはプラスの面面だけでは ない、ふぐのようなものだと私が考えてい る。フグはおいしいが、毒袋をもっている。
この毒袋を誤食すると、死ぬ。
しかし、この毒袋をうまく撤去できたならば、フグは唯一無二の魑力を持つことができる
。 ギャンブルも同様だ。要は、付き合い方が重要なのである。
以上の政策によってギャンブルの依存しやすい部分を撤去し、ギャンブルを一つの娯楽として付き合うことが可能なのだ。
ギャンブルと共存する!
それこそが私の願うギャンブルの姿である。
ギャンブルとうまく付き合い、より豊かな 社会生活を営む未来を祈って、本弁論を終了させていただきます。
ご清聴ありがとうございました。



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