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演題 「女道」

弁士 史キンキン(国日1)

【導入】
 働きたい!かっこよく、バリバリ働きたい。
 結婚したい!いい人と出会い、幸せな家庭を作りたい。
 そんなことを夢見なから、私か日本に来てから、1年半か経ちました。この1年半、たくさんのものを見て、たくさんのことを学ひました。
 出会いも大切にしています。例えはこの会場に、私の将来のパートナーになってくれる方かいるかもしれません。  働く、または結婚する。その両方が、私をはじめとする、女性の自己実現なのてす。 だからこそ、仕事と育児の両立が日本に求められているのでしょう。
  家事育児と仕事の両立。それこそが女性のライフコース、女道なのてす。
 しかし、その道が、とても険しい、いばらの道たったらどうてしょう?
 本弁論は、女性か自己実現としての家事育児、仕事、その両立をしやすい社会を実現するための政策を提案するものてす。


【現状分析】
 さて、現状、育児をめぐる環境はとうなっているのてしょうか?
  厚生労働省の調査によると、出産した時に働いている女性のおよそ8割が育児休暇を取るようになりました。
 さらに、育児休暇を取った女性のおよそ9割が、休暇後、もとの職場に復帰しています。 育児休暇は取りやすく、その後も職場に復帰しやすくなりました。
 しかしだからと言って、働いている女性のほとんとか出産後も、もとの職場で働き続けている、というわけではないのてす。
 なぜなら、先ほどのデータは出産したときに在職していた女性のみを対象としているからです。逆に出産前に退職した女性は数に含まれていません。
 実は、6割以上の女性は「この会社では、出産後に働き続けることは難しいたろう」と考えて、出産前に退職する道を選びました。
 出産前に退職を選んた女性を含めると、出産後も引き続き仕事をしている女性は、4割以下てす。 つまり今でも、女性は出産後も引き継き働くことが難しいのてす。
 こういった女性の負担を軽減するために期待されているのが、男性の力てす。
 しかし、内閣府の調査によると、育児休暇を取る男性は2%程度にととまっています。 つまり、現状では女性だけか育児休暇を取っていると言っても過言ではありません。


【問題点】
 この偏りが、女性にとってある大きな問題を生み出しています。
 それは、女性だけが大きな犠牲を伴う選択を、しなければならないということてす。
 現状、働く女性は家庭を築く際、ある選択にせまられます。
 子供を産み育てるか、それとも仕事を続けるか。
 もちろん、この二つを両立させることも可能てしょう。しかし、現実的には、両立はかなり厳しいものてあると言わさるをえません。
 女性は1日に平均7時間、家事育児に時間をさいています。加えて日本の労働者は1日に平均9時間を仕事に費やしています。
 つまり女性か家事育児と仕事を両立させようとすれば、1日に拘束される時間は16時間以上になります。 仮に7時間の睡眠をとったとすると、残りの時間は1時間にすぎません。
 このような生活スタイルは現実的てはなく、両立は厳しいものてあると言わざるをえません。
 両立は現実的な選択肢てはないため、現状、女性は出産するか続けて働くか、二者択一なのです。
 その際、育児を選べは仕事を犠牲にしなけれはなりません。
 逆に、仕事を選べは育児を犠牲にしなけれはなりません。
 育児か仕事かいずれかを選んた女性は必すもう片方を犠牲にしているのてす。
 男性の場合、このような選択を迫られることはまずありません。
 この選択を迫られること自体が、女性たちにだけ強いられている、不条理なのです。


【原因分析】
 なぜ育児において、このような問題か発生してしまったのてしょうか?
 この問題は、育児か女性に押し付けられている、つまり、男性か育児休暇をとっていないことから生じています。
 なぜなら、女性のみが育児休暇をとっている現状は、育児の負担を女性か背負っているということてす。
 育児の負担が重すきるため、女性は仕事を諦めなけれはならない現状が発生しているのてす。
 ところで、皆さん、そもそも育児というのは、女性だけが行うべきなのてしょうか?
 もちろん違います。しかし現状、男性か育児休暇を取ろうとすると、必すこのようなことを聞かれると言います。
 「君、奥さんいないんだっけ?」
 一方で同し状況て女性の場合「旦那さんいないんだっけ?」と聞かれることはまずありません。
 なぜ、男性が育児休暇を取りにくい現状が発生しているのてしょうか。
 それはこのように、育児は女性かするものという風潮が、逆に男性が育児休暇を取りにくい環境を作っているからてす。
 実際、東京都内て行ったアンケートによると、 およそ7割の男性が、「職場の空気」などを理由に育休を取りたいにもかかわらず、それを諦めているのです。
 その結果、男性の育休取得率は2%にとどまっているのです。
 そもそも、男女平等の観点から見ると育児は夫婦両方て行うべきなのてはないでしょうか。
 しかし、現状てはそれのほとんどを女性に押し付けています。
 それによって、女性にとっては仕事を犠牲にしないと、育児を成り立たせることが不可能、というほどに育児の負担が重くなっているのです。
 つまり、男性が育児休暇を取りにくくなっている 現状が、女性に不条理な選択を強いているのてす。


【解決策】  育児において、男女の不平等を解決するには、 男性が育児休暇を取りやすくし、育児て男性も戦力として使えるようにすることてす。
 そのために、私はここで一点の政策を提案します。 育児休暇補填制度の導入てす。
 この制度は、社員が、本来取れるはすたった育児休暇を取らなかった場合、その分の給料を会社側から社員に払わなけれはならない、とする制度のことです。
 現状では、育児休暇を取得した際、給料の半分か三分の二が育児休業給付金として国から支払われています。
 補填制度は、まず、育児休暇は最低でも90日以上取得しないといけないものとします。
 その上で、仮に育児休暇を取得しなかった場合、 あるいは取得した期間にあまりがあった場合に、その期間の給料分全額を会社側から、社員に補填することを義務化します。
 例えば、ある社員が30日の育児休暇を取得したとします。従来ですと、30日分の給料の三分の二が給付金として国から支払われるだけです。
 しかし、補填制度を導入すると、給付金に加え、 残り60日分の給料を会社が社員に補填しなけれはならなくなります。
 つまり、補填制度とは、育児休暇は本来、労働者に与えられた権利であるととらえ、その権利を行使しなかった場合、企業側はその補填をするという制度なのてす。
 この制度を導入することによって、会社側は社員に育児休暇を取らせないことによるマイナスのインセンティフが生まれます。
 また、社員側にとっては、今まて育休を取らな いことが会社のためてあったことか、むしろ、育休を取ることが会社のためになるようになります。
 この政策は、育児休暇の取得率か低い人たち、特に男性に対して、効果が上かります。
 なせなら、この政策によって、逆に会社側から、 育児休暇を取るよう、進めることになります。
 それによって、育児休暇は取得できてしかるべきであるという空気を醸成することかてきるのてす。
 男性か育児休暇をとりやすくなれば、「育児は女性がするものだ」という今までの考え方も無くなるてしょう。
 つまり、育児休暇補填制度の導入によって、男性を育児に参加させ、女性の育児の負担を軽くすることができます。
 それによって、女性は不条理な選択を迫られることなく、家事育児と仕事の両立ができるようになるのてす。


【結び】
 我々女性は、二つの能力を持っています。 仕事をする能力と、出産する能力です。
 この二つの能力は同時に、二つの可能性でもあります。
 仕事と出産。それは女性か女性として持っている可能性なのです。
 その可能性を、女性だけが男性が育児に参加てきないという理由て両立か難しいために、諦めなければならない現状はやはり女性にとっては不条理でしかありません。
 女道とは、女性かこの二つの可能性を存分に生かして、生きていくことのできる道のことです。
 そのために、夫婦て育児できるよう、社会を変えていくへきなのではないでしょうか。

 ご静聴ありがとうございました。


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