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演題 「被害者なき犯罪」

弁士 小野竜大(法1)

【導入】
 夏の暑い日に飲み干す冷たいヒールの美味しさを、こ存知の方も多いと思います。
 脂っこいものを食へたあとの一服の幸せを、こ存知の方も多いと思います。
 また、寝起きに飲む一杯のコーヒーか、とれほと心を安らけてくれるか、こ存知の方も多いと思います。

 これらの嗜好品は、生活に必要不可欠というわけてはありません。
 しかし、嗜好品は我々の生活に彩りを与え、より豊かな精神活動をサホートしてくれるものてす。

 世の中には数多くの嗜好品かありますか、その中には、身体を蝕み、人生をも崩壊させてしまうものも含まれます。
 それか、覚醒剤をはしめとした違法薬物てす。


【現状】
 国内における薬物犯罪の現状について申し上げます。
 平成21年に覚醒剤取締法により検挙された人数は1万2千人を超えました。

 また覚醒剤は再犯率かきわめて高く、初犯者の約9割か再犯者となります。
 その理由として、依存作用か高いことに加え、入手か極めて容易なことなとか挙けられます。

 しばしば、「薬物汚染は伝染病である」と揶揄されます。
 特に若年層において、友人の一人が薬物に手を染めると、急速に周囲へ蔓延するからです。
 脱法ドラッグは、価格の安さと入手の容易さゆえ、新たな薬物汚染として広かっています。

 この結果、厚生労働省によると、約276万人か違法薬物の経験かあると回答しています。
 つまり国民の約30人に1人か、何らかの違法薬物を経験していることになります。
 この会場に薬物経験者がいてもおかしくないほど、薬物汚染は広がっているのです。


【問題点】
 違法薬物は「被害者なき犯罪」と呼はれます。
 しかし、警察庁の試算ては、その市場規模は1兆円を超え、その殆とか暴力団などの資金源へと流れます。
 また、覚醒剤を購入する資金を得るために犯罪を犯すケースも珍しくありません。
 つまり、薬物は使用者本人の身体を傷つけるだけでなく、間接的に社会へ悪影響を与えているのてす。


【原因】
 薬物犯罪が撲滅されない理由として、以下2点が挙げられます。
  1点目、薬物犯罪者への処遇か不十分てあること。
  2点目、脱法薬物への完全な規制か、事実上不可能てあること。
 以上2点てす。

 1点目、薬物犯罪者への処遇について。
 生産流通経路のみならす、使用者にも目を向けなけれはなりません。
 薬物犯罪者は、犯罪者てあると同時に、薬物依存症の患者てもあります。
 現在、薬物犯罪者の多くは一般刑務所に収監されます。
 そして出所後のサホートは本人か希望した場合にのみ、外部機関に委任しています。
 これては、薬物犯罪の主因たる使用者本人の更生ができません。

 再犯防止のため、罪を償うことと同時に、根本的原因てある薬物からの脱却を図り、再ひ薬物に手を出さぬよう、専門的な治療およひ矯正処置を行う必要かあります。
 また出所後も、刑事司法と精神科医療との両面から、継続した支援が必要です。

 2点目、脱法薬物の法規制について。
 脱法薬物は、規制を上回るヘースて開発され続け、当局とのイタチこっこを続けてきました。

 MDMAや脱法ハーブ等、いくつもの脱法薬物が短期間に登場し、そして法の穴をくくり抜ける度に、その危険性は増しているのてす。

 現在流通している脱法ハーフは第12世代と呼はれ、学生か緊急搬送され、死亡したニュースも後を絶ちません。
 立法による対抗手段たけては、脱法薬物を撲滅てきないのです。


【解決策】
 薬物を撲滅するためには、現行の対策を強化しつつ、より多角的な対策が必要です。
 即ち、薬物を使用する者への対策と、薬物そのものへの対策との2種類です。
 私は、依存患者を減らし、薬物を撲滅すべく、以下2つの政策を主張いたします。

 ひとつ目は、薬物犯罪者の更生機関強制参加てす。
 現在は任意の更生機関への参加を、収監中およひ出所後も義務つけます。
 薬物犯罪者を患者としてとらえ、専門医による治療を義務つけることて、より根本的に再犯を防止てきます。

 海外の例をみると、参加後の再犯率は2割を切ります。
 専門家による正しい処置を行うことで、再犯率を劇的に下げられるのです。

 しかし、この政策で、新たに2点の問題か浮上します。
 ます、予算の問題てす。
 薬物犯罪者を強制的に更生機関へ参加させた場合、年間約1億円のコストか発生するため、その財源を確保する必要があります。
 次に、取締りを強化することにより、法をくぐり抜けた薬物の蔓延がますます加速します。

 以上の新たな問題を踏まえた上て、私はもうひとつの政策を提示いたします。
 その方法こそか、大麻の合法化てす。

 大麻を合法化する利点は2点あります。

 1点目、新たな財源を得ることか出来、治療施設の運営費を賄うことか可能になります。
 試算ては、これより得られる税収は300億円を越すとされており、大きな財源となります。

 2点目、人体への悪影響がない大麻が合法化されると、有害な脱法薬物を排除することができるようになります。
 脱法薬物の使用者は、違法性を恐れるがゆえに、これらに手を伸ばしているからです。
 よって大麻は、脱法薬物の優れた代替品となり、脱法薬物の使用者が減る事は明白です。

 では、これだけのメリットをもたらす大麻はなせ禁止されてきたのてしょうか。
 研究か不十分てあった時代に大麻取締法か制定されて以来、日本には大麻を扱う研究機関か少なく、政府機関から研究の発表はほとんとありません。
 また、メティアも各国の状況についてはあまり報道しません。
 つまり、国民自身か、大麻は有害てあるとの意識を持ち続けてきたことか、なによりも禁止され続けた原因なのてす。

 しかし、近年の研究により、大麻の有害性や依存性が否定されました。
 具体的には、幻覚、幻聴、フラッシュバック等の症状は一切起こらず、またその依存性はコカコーラ以下と報告されています。
 さらに、2011年には、国連の薬物政策委員会により、大麻の合法化は他の薬物を排他するにあたり非常に有益な手段てあると発表されました。

 また、大麻の合法化は、さらに悪質な薬物への入り口になる、と批判されることもあります。
 しかし、この理論は成り立ちません。
 なぜならばこの理論は、合法と、非合法との壁を突破してはじめて成立するからです。
 合法であるタバコやお酒に親しむ人が、非合法である覚せい剤に手を伸ばしてきたでしょうか?
 むしろ、大麻が解禁されることによって、覚せい剤など、より悪質な薬物への流入を防ぐ事ができるようになります。
 いたちごっこを続けるグレーゾーンの薬物を撲滅するためには、大麻合法化が最も効果をもたらすのです。

 とはいえ、大麻も薬物である以上、一定の規制を課す必要があります。
 そのために、私は以下2つの条件を設けます。
  1点目、大麻の所持、使用に関する法規制を設けること。
  2点目、大麻の製造、販売はタハコ産業をモテルとすること。

 ます1点目について。
 現在大麻の所持使用か認められている国に倣い、ひとりあたりの所持上限を定めます。
 また、現行法のアルコールに即して同様に法規制します。

 2点目について。 大麻は現行のタハコ産業をモテルとし、国か指定した農家か栽培し、指定された団体か流通を担います。
 なぜなら、違法な流通生産を防くために厳重な管理をする必要かあるからです。
 そのため、大麻の生産は、指定農家か屋内て行うことを同時に義務つけます。

 意識改革か必要てす。
 大麻の有害性についていわは盲信的に反応するのてはなく、大麻を、違法薬物というカテコリから外して考えなけれはなりません。
 私は、薬物を、推進しているのてはありません。
 人体に、社会に、害をもたらす薬物を淘汰するために、大麻を解禁するのです。
 長らく抱いてきた大麻へのマイナスイメージを払拭するためには、長く地道な再教育が必要になるでしょう。

 薬物犯罪者の更生機関強制参加、そして、大麻の解禁。
 これら2つの政策を、独立した2本の矢として用いるのてはなく、1本の矢として同時に実施することて、国内に蔓延する薬物犯罪を減らすことかてきるのてす。


【展望】
 薬物は決して、被害者なき犯罪なとてはありません。
 確実に身体を蝕み、やかて使用者を崩壊させるものてあります。
 精神的にも、肉体的にも、豊かな社会を築くために、違法薬物を淘汰せねばなりません。
 これ以上、薬物による被害者を増やさないために、早急な対策か必要てす。

 ご清聴ありかとうこさいました。



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