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演題 「夢の超特急」

弁士 大澤裕理(法1)

【導入】
私は鉄道が好きだ。鉄道は面白い。 車両の多様性、旅の風情、どれをとっても鉄道は非常に魅力的な何かを私 たちに教えてくれる。
鉄道は単なる移動手段ではない。
鉄道は「夢」を運ぶ乗り物なのだ。 まさにその代表は、高度経済成長真っ只中に開業した東海道新幹線だ。 敗戦から 20 年あまりで、時速 200 キロを超える高速運転を実現し、その 世界一の営業運転は国民の士気を大いに盛り上げた。
この時、東海道新幹線は「夢の超特急」と呼ばれた。 戦後、荒廃した社会の中で、世界一の速度で日本を駆け抜けた 0 系新幹線 は多くの人に夢を与えたのだ。
「日本も生まれ変わることが出来る」、0 系新幹線はまさにそんな鉄道で あった。
そして、今、新しい「夢の超特急」が登場しようとしている。

【重要性】
即ち、「リニア中央新幹線の登場」であります。 リニア中央新幹線とは、現在、JR 東海が老朽化した東海道新幹線を置き換える為に、新たに建設を進めている新型高速鉄道であります。
このリニア新幹線では名古屋まで 40 分、大阪まで 67 分で結ぶことができます。
現状の新幹線の半分の時間で行き来することが可能となるのです。 素晴らしいスピードを提供する、リニア新幹線。 しかし、リニア新幹線はただ早いだけではありません。 そう!リニア中央新幹線を建設すると、莫大な経済効果が見込めるのです。
まず、国交省によると「リニア新幹線建設による経済効果」13.6 兆円が見 込めます。
さらに、建設後の経済効果は 1 年間で 1 兆 5800 億円にも昇るのです。 これは、ロンドンオリンピックや愛知万博の経済効果とほぼ同じです。 リニア新幹線の運行は、このような国際的イベントと同等の経済効果を毎 年、与えてくれるのです。
このように、リニア新幹線は、東京、名古屋、大阪の 3 大都市圏を高速で 結ぶだけでなく、これだけの大きな経済効果を建設時にも、建設後にも生 み出してくれるのです。

【問題点】
しかし、このリニアによって得られる経済効果を妨げる問題が発生しています。
それが、「一斉開業ができない」という問題です。
一斉開業とは、計画通り 2027 年に東京大阪間を一度に開業することを指 します。 しかし、現状ではこの一斉開業ができなくなってしまっているのです。 その時点では途中の名古屋までしか開業できないのです。
このままでは、2027 年にはリニアで大阪に行くことができない。 大阪まで開業するのは 2045 年。実に、18 年もの遅れが生じてしまうので す。
三菱系シンクタンクの加藤研究員は「実現が遅ければ、経済効果額は低く なる」と語っています。
リニア新幹線一斉開業の遅れは本来得られるであった 7 兆円あまりの経 済効果を失わせることになるのです。
このように、リニアの開業の遅れは本来得られるべきであった経済効果を 失わせてしまうのです。

【原因】
では、この問題の原因は、何なのでしょうか。 それは同時開業による巨額の金利負担に耐えられない、ということです。
JR 東海は民間の融資を得てリニア建設を行います。
リニア建設にかかるコストはおよそ 9 兆円。
その膨大な費用を 1 度に借りると、多額の金利により 1300 億円もの赤字 が発生してしまいます。 このことにより、経営を安定して行うことができなくなってしまうのです。
実際、去年3月の読売新聞の記事でも東海の社員は「債務が5兆以上にな ると利子負担が重く、返済が進まない」と話しています。
そのため、今年 7 月、JR 東海の山田社長は「民間会社の経営を考えれば、
2 段階方針しかありえない」と話しています。
2 段階方針とは 27 年に一度名古屋までを開業し、返済が進み、経済的な 余力が確保されてから再度建設に取り掛かるというものです。 一斉開業により発生する金利負担はリニア計画の資金調達、さらには計画 そのものを立ち行かなくしてしまいます。
その為、JR 東海は安定経営を保ち、リニア計画を守るために 2 段階方針 を選んだのです。 その結果、全面開業は遅れ、一斉開業で本来得られるべき 7 兆円のもの経 済効果は、失われてしまうのです。

【展望】
夢の超特急、リニア中央新幹線。これは、東京、名古屋、大阪の 3 大都市 圏を高速で結びつけ、尚且つ、経済効果ももたらす。鉄道は、単に移動す る箱ではないのです。
かつて、この日本が敗戦の焦土からの復興を成し遂げた際 1 筋の希望の光 がありました。
夢の超特急、新幹線。 その勇姿は国民の心を奮い立たせ、 明日への一歩を支えました。
第二の敗戦と言われた東日本大震災。 ここから立ち直り、明日への我々を導くのは夢の超特急、リニア中央新幹 線なのです!
ご清聴ありがとうございました。



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